12.14.2009

シンガポール30年前

人生にはいたるところにきっかけがあります。何故わたしが今シンガポール料理をやっているのか?今から30年以上前に父の仕事で毎年夏、一ヶ月程シンガポールを訪れました。宿泊先は、当時では本当に珍しい高層ホテルのマンダリンです。そこの最上階は回るレストランになていたのを記憶しています。1時間に一回、ターンテーブルが回るのです。7月は弟の誕生日を祝おうと、父が最上階で誕生日会を開いてくれました。シンガポールの記憶はいまだに忘れておりません。これが私の原点です。父は昼から夕方にかけて仕事をしていましたので、会社へ行くさいに10ドルを渡され、「これで昼なんでも好きなものを食べなさい」といわれ、兄妹三人でクーページプラザ(Cuppage Plaza)エリアのホーカーセンターへ行ったのを覚えています。英語が話せたので、色んな料理をオーダーしたのを良く覚えています。当然10ドルで5ドル程のおつりが来る安さでした。このお金に換えられない貴重な経験、父に心から感謝しています。オヤジありがとう、恥じないよう精進して参ります。

12.09.2009

Steamed Minced Pork w/Salted Fish 鹹魚蒸肉餅

シンガポール料理というよりは広東料理の定番惣菜ですが、ジューチアッロード(Joo Chiat Road)にある私の好きな広東惣菜屋=ジューヘン(Joo Heng・裕興菜館)での定番料理を恵比寿店で再現してみた。日本では入手しにくい塩漬け発酵イシモチ、ハムユイ又はシュンユイ(鹹魚)を台湾人である姉の旦那KL氏から戴いたので久々に蒸し豚ミンチ&ハムユイを作ることにした。ちなみにシンガポールでは、コーヒーショップで色々な惣菜(広東系・潮州系・ホッケン系、マレーチャイニーズ系、等)やシーフード料理を出すお店をCze Char Restaurantという。「煮炒」と書くのだが、ヂュウチャオ又はズィーチャーという。中華屋台レストランとは違いシンガポール独特の惣菜も多く提供する。例えばサンバルソースを乗せたマナガツオ、臭豆とエビのサンバル炒め、シリアルで絡めたエビ等。
Salted Fish or Ham Yu is one of the ingredients that's really nothing alone but when combined with ingredients like pork or veggies, it is absolutely divine. My brother-in-law who is a Taiwanese gave me this precious ingredient (brought them from Hong Kong) and so, I cooked one of my favorite Cantonese dish (not necessarily a Singaporean dish...). Roughly ground pork with cubed pork fat, minced ginger, corn starch, Chinese sake, white pepper, salt, light soy sauce and a bit of sesame oil. Top this off with ham yu and it's ready for a steamer. Steaming at a slightly low temperature of 80 degrees for 15 minutes. Top with julienned ginger and wow, I could eat tons of bowls of rice with this! I will try claypot rice and sauteed veggie next time.

粗挽きの豚ミンチに生姜のミジン、塩、白胡椒、紹興酒、片栗粉を入れて粘りが出るまで捏ねてお皿の上に平にハンバーグを設置し、ハムユイをその上に乗せて80℃−85℃のスチーマーで15分程蒸すだけだ(あまり高温で蒸してしまうと肉が固くし上がってしまう)。最後に千切りした生姜を添える。ハムユイの優しい臭みと塩分が豚のハンバーグに素晴らしくマッチ。正直、豚バラの脂を細かくサイコロ状に切ったものを足すべきだった。しかし飯がばくばくいける逸品だ。このハムユイ、風味を表現すると、非常に上品なくさやだ。シンガポールのブラチャンやタイのガピにも塩分濃度や臭さは似ている。
I first discovered this Cantonese dish at a fabulous and legendary cze char restaurant on Joo Chiat Rd. called Joo Heng. They are known for a Cantonese cze char but some of the things are intrinsically Singaporean. Sambal Belacan is always on the table and their sambal stir fried stuff is absolutely my fav.

12.07.2009

Siput Sedut Masak Lemak @ HJH Maimunah Restaurant

Siput Sedut Masak Lemak (シプッ セドゥッ マサッ レマッ)というカレーっぽい料理をJoo Chiat Rd. にある有名なHJH Maimunah Restaurant (ナシパダン屋)で食べた。前から気になっていたのだが、このタニシのような食材をSiput Sedutという。ちなみにMasakは、調理を意味し、Lemakは、濃厚を意味する。大体Lemakという言葉があれば間違いなくココナッツクリームを使用して濃厚なソースとなる。よくイスラム系の飲食店で「HJH」又は、「Hajjah」という言葉を目にするが、これは、イスラム教において信者がイスラムの聖地であるメッカへ巡礼を行った事を意味する。恐らくMaimunahはお店のオーナーの名前だろう。さて、このタニシカレーさぞかしタニシの出汁が効いているのではと思ったが、特に味がない。グレービーは東南アジアのハーブ類(レモングラス、カフィアライムの葉、等)を使用しているのは歴然だ。このタニシが正直、食べれるとは思わなかったのだが、色々リサーチすると、口に一つ入れて、殻の穴を勢い良く吸って、中の身を上手いこと取り出さなくてはならないようだ。一つの大きさは人差し指の第一関節くらいなので、食べるのに非常に面倒くさそうだ。しかし、カレーに特に味があったわけでもないのでおいしいのか?