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ハイナニーズカリーはシンガポールでいうと経済飯(economical rice)のジャンルに入る。経済飯とは(別名:Chap Chye Rice/Chye Png)多くのホーカーセンターやコーヒーショップにあり、ずらりとおかずが並んでいて自分でそれらをチョイスし、ライスと一緒に食べる最も早く、バラエティー豊でしかも安くておいしい、チャイニーズ系のごはんだ。肉料理・魚料理・野菜料理・卵料理・大豆料理など、そのバラエティーはとてつもない。ナシパダンのチャイニーズバージョンというとわかりやすいか?そして、ハイナニーズ特有のカレーソースをどぼどぼとライスにかけておかずを味わうのが、ハイナニーズカリーの大きな特徴。ちなみに、この手のものは海南等には存在しない。どのチャイニーズ系(ホッケンやテオチュウ)よりもハイナニーズとカリーが結びつくのには理由がある。1900年代のころ、多くのハイナニーズは英国人やプラナカンの専属シェフをして生計を立てていたのだ。必然的に、彼らの料理(カレー等は英国系やプラナカンの定番メニュだ)をマスターし、習得したレシピを独自にアレンジをすることとなる。なので、ハイナニーズカリーのグレービーの味はお店ごとに違い、どこが一番美味いのかというのは、決して決めつけられるものではない。自分にあったものを探す必要がある。
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このように、一人でハイナニーズカリーを食べるときは、おかずをどんと、ライスの上にのせてくれるがグループで食べる場合は、おかずはセパレートでライスの上にグレービーをかけてくれる。お店にもよるが、ハサミでチョキチョキと食べやすいサイズにカットしてくれるところも結構多い(写真上)。グレービーはお店にもよるが、大半は3種類を好みでかけてくれる:当然ハイナニーズスタイルのカレーグレービーは必需だが、その他は、豚バラ肉を煮込んだ甘い醤油ダレ、そして少し甘酸っぱい酢豚に使うようなタレ。これを我流で混ぜて、味の変化を楽しむのだ。
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これが、ハイナニーズカレーに欠かせないアイテムその①:チャプチャイ。そう、韓国のチャプチェの元だ。シンガポールでは、プラナカン風も有名。キャベツをトロトロに煮込み、春雨と一緒に食べる逸品。特に味の特徴はないが、やはり無いと寂しい。時折、キクラゲ、乾燥湯葉乾燥金針菜等も入っている。恐らく、ハイナニーズのシェフは、その昔、これをプラナカンの家族から学んだのだと推測する。
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その②はやはり、ハイナニーズポークチョップ=ハイナニーズとんかつ。ポークシュニッツェルという感じだが、グレービーはトマトベースのA1ソースとその他で、甘酸っぱい感じだ。衣は、パン粉よりクラッカーを使用するところが多いみたいだが...
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その③はローバッ(Lor Bak)=豚バラのホロホロ煮。このソースとカレーソースの相性がいいんだよな〜〜。トンポウロウのようなものでカレーとすこぶる合う。このソースで煮込んだ木綿豆腐もおすすめだ。
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その④は、やはりサンバルソトン(イカのサンバル)。ソトンはとにかく、シンガポールではどの人種(マレー、インド、プラナカン)でもおかずの定番だ!その他の私のおすすめは卵系のものや、インゲンの干しエビ炒め、場合によってはランチョンミートも好きだ。