5.02.2010

Moily, Molee, Moli, Moolie, モイリー, モリー、ムーリー etc.

お店でMoolieを試作した。さて、Moily, Molee, Moolie,モイリー, モリーというと、カレー通は魚のココナッツカレーを連想するだろう。しかし色々な呼び名があるこのカリー、不思議ではないか?ネットで調べるとこのカレーは南インドのケララのカレー(Meen Moily)という認識が多いようだが、マレーシアやシンガポールにも実は存在する。何故か?と色々私なりにリサーチをしたのだ。Singapore Heritage Foodの著者であるSylvia Tanはこの料理のルーツはポルトガルにあると述べている。その根拠はMohlyuがポルトガル語で「グレービー」という意味だそうだ。しかし、私の調べではMohlyuという言葉は見つからず、逆に「Molho」が正式にソースという事がわかった。しかし、マラッカにはMohlyuというココナッツでシーフードを煮込んだクリスタン料理は存在する(これはユーラシアン料理と呼ばれるものだ)。さてこの「Molho」の発音は「モ−リョ」と聞こえる。少し脱線するが、この「Molho」はメキシコのソースである「Mole」(モーレ、"グアカ"モーレ等)の言葉が由来ではないかと私は勝手に思っている。この「Mole」はもともとアステカのナワトル語の「Molli」という言葉が語源となっている。そしてスペイン人がこの言葉を現在利用している(スペインオムレツのトルティーヤ等もそうだ)。さて本題に戻るが、ポルトガル人によって、ジャガイモ、カシューナッツ、トマト、チリ等、南米から南インドに運び込まれた食材は非常に多いが少なくともモイリーはポルトガル料理ではないと思う(ココナッツ使用してるし)。さて、もう一つの説はこのMoily, Molee, Moolie, モイリー, モリーは「マレー、Malay, Melay」という言葉がもとになって、恐らくマレーが発祥の地、という説(A Historical Dictionary of Indian Food, K. T. Achaya, Oxford University Press)。マレーの料理?実際、どうなのだろうか?ただ確かにマレーシアと南インドはイギリスの影響もあり近い存在にある。

補足だが、この料理はBritish Raj料理のカテゴリーでも存在する。ブリティッシュ・ラージュ料理とはインドがイギリスの植民地時代に英国人が好んで食べていたイギリス人に合わせたインド料理+英国料理の事だ。有名なところでチキンジャルフレージー(鶏のスパイシー炒め)、カリーパフ、ムリガターニースープ等。ただ何故モイリーがBritish Raj料理なのかというと、マラバー海峡(ケララやゴア)でポルトガル人に雇われていたシェフがもっと都会のイギリス領であるカルカッタへと出稼ぎに(イギリス人の専属シェフ)出たので、この料理がイギリス人にもポピュラーになったのだ。

私はこう思う:ココナッツ、魚とライムがあれば出来るMoily, Molee, Moolie, モイリー, モリーはなにもマレーシアが発祥では無いような気がするし、ポルトガル料理がルーツでもない(もともとマレーシアもケララもココナッツは多く料理に使用されているし、原産地でもあるので必然的にこのシンプルな料理は誕生すると考える)。恐らく、ケララにそもそも存在した地元料理だ。ポルトガル人は当然、地元の人を専属シェフとして働かせていた。そのポルトガル人が好んで食べた料理がモイリーではないか?料理名はマラヤーラム語なので(料理名が長いので発音が難しい)、その料理をポルトガル人が「これは旨いMolho(ソース)だ!」といってネーミングをして、専属の料理人に、「オイシェフ!例の旨いMolhoをまた作ってくれ!」。結果その料理名が定着したのだ。そしてポルトガル人のよってモイリーはマラッカでも定番の料理となっり、今度はマレーシアの専属料理人にモイリーを再現させたのだ(ビンダルーもそうだが、マラッカの郷土料理だが、ゴアのものとは大きく違う)。そして更にモイリーはマラッカに住むイギリス人やユーラシア人によってからシンガポールへ(マラッカはポルトガル領の後にイギリス領となった。よってポルトガル人の影響でゴアの名物料理となったビンダルーはイギリスインド料理の名物となっている。多分イギリス人は自分たちの料理だと思っているにちがいない)。っとかなり有力な説ではないか?

ちなみに、カリーという言葉も似たような背景がある。ケララを中心としたマラヤーラム語(その他タミル語も)で「Kari」というとある種のスパイスを使用した煮込料理だが、当然インドのカレー料理はこの「Kari」だけではない(Kootu, Kootan, Peralen, Ishtoo, Avial, Vindaloo, Kurma, Korma, Kolomba等)。植民地時代にポルトガル人や英国人がとにかく、ソースのあるスパイシーな煮込料理をこのKariという言葉をとって名付けたのだ。カレーはその後、インドのスパイシーな煮込料理のジェネリック用語となったのだ。
余談だが、ポルトガルで辛いソースの事をピリピリ(piri piri=直訳するとチリチリ)というそうだ。もともとは東アフリカのスワヒリ語が語源となっている。日本でいう、ピリ辛ってここからきているのかな〜。

Moily, Molee, Moli, Moolie all signifies a seafood coconut gravy dish which exists in parts of South India (Kerala is famous), Malaysia (esp. Malacca) and Singapore. Both Malaysia and Singapore I believe categorizes Moolie as somewhat Eurasian/Indian influenced cuisine like Mulligatawny or Vindaloo. Terry Tan writes in his book: Shiok! Exciting Tropical Asian Flavors (2003 Periplus Editions (HK) Ltd.) that moolie has a "blend of Indian and Malay influences." In a book, Singapore Heritage Food: Landmark Books Pte Ltd, 2004) Sylvia Tan describes moolie as a dish "probably has its roots in Portuguese cuisine. (The word mohlyu is Portuguese for gravy.)" K. T. Achaya: A Historical Dictionary of Indian Food, Oxford University Press 2006, states that "the word is thought to be a corruption of the term Malay, from where perhaps the dish originated." Camellia Panjabi in 50 Great Curries of India (Kyle Cathie 2004) mentions that it "is basically an Anglo-Indian dish... truly a Raj dish." I agree that this is a Raj dish like kedgree. But where did this dish really originate? This is my own theory but, I believe that "Moily, Molee, Moli, Moolie" was initially a Keralan dish which was exported to Malaysia just like moru (a Keralan curry dish that also exists in Malacca) by the Portuguese and then to Singapore by the British and the Eurasians. The dish ended with its own unique cultural identity where it evolved into distinct local cuisine. I found out that the word "mohlyu" is not Portuguese for gravy but "molho" (pronounced molyo) is. However, mohlyu is a Malacca-Cristang dish (or a term) with some kind of sauce such as, mohlyu gingibri doce cung taukwa (bean curd in sweet ginger sauce) or just plain mohlyu (seafood in spicy coconut sauce): Cuzinhia Cristang by Celine J. Marbeck . Anyhow, Portuguese word for gravy "molyo" does spell like "Moily, Molee, Moli, Moolie". So when the Portuguese saw the Keralan seafood coconut curry -a traditional Keralan dish, they termed it "molyo" and the word corrupted into "Moily, Molee, Moli, Moolie" just like vindaloo did ...maybe. Yet I do not see why moolie has a Portuguese roots. Unlike vindaloo, the technique used for making moolie does not use any Portuguese related stuff. It is such a simple dish where recipes vary from cook to cook but basically, it contains seafood, coconut milk, lime juice, and very little use of spices -all indigenous to Kerala so therefore, anyone would be capable in creating this dish by chance.

This is off the topic but in Japanese we say "piri-kara" when a dish is spicy hot. There's an Afro-Portuguese sauce called piri piri, literally translated as chili chili. Maybe this "piri-kara" word is not Japanese but brought over by the Portuguese....

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