知人であるシンガポール人の美食家Mr.Wが私にこう質問してきた:「君のレストランはいったいどのようなメディアを通じてお客様にアピールするのだ?」「海南鶏飯食堂のポリシーとして、メディアに出ないし宣伝もしないが我々の哲学を発信できるホームページならある」と答えたら彼はびっくりしていた。たしかにシンガポールにはホーカーのストール(お店)を評価するメディアが無数存在し、それらの記事や賞を誇らしげにお店の前に貼り付けている。特に有名店にいたっては、お店がそれで埋まりつくすぐらいだ。もう少しファサードを大事にしたほうがいいのではないか?と思う。ミシュラン的基準のあるホーカーガイドのMakansutra, タクシーの運転手や視聴者が基準のグルメ番組のYummy King, 商業案内のGreen Book, ストレートタイムズの記者がやっているLife!Eats, 等が代表的なメディアだ。一般的にシンガポールの人たちはこれらのメディアを美味しいお店の判断材料としてみている。もちろん口コミもあるが、近年増加傾向にある日本でいうコンビニ的なフードコートが若者の舌を台無しにしていると私は考える(あくまでも一般論だ)。味がフードコート基準になってしまうと、おいしいものを自分で判断できなくなってしまうのではないか? 例えば旨いチキンライスの定義とはなにかを理解していないとその美味さは語れない。判断できないので、やはり、お店の前に張ってあるものやガイドを頼りにしてしまう。一方で、3Kで職業として若者にまったく人気がない今後減少するであろホーカーのステータスをMakansutraは上げているのも事実である。
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