シンガポールにはビ(ヴィ)ンダルー(Vindaloo)というカレー料理が存在する。少し変わった名前だが、この言葉の語源はポルトガル語だ。さらにビンダルーという料理の歩みをたどると面白い料理の歴史が分かるのである。まずその語源だが、Vinho d'alhosとういう言葉がなまってて出来た言葉とされている(Vinho=ワイン又はワインビネガー d'alhos=ガーリック)。ポルトガル料理のCarne de vinho e alhos(肉のワインビネガーとにんにく煮込み)が元となっているが、ビンダルーと聞けば、皆インド料理を思い出すに違いない。ビンダルーは、唯一ポルトガル領であった南インドにあるゴア(Goa)の名物料理となっている。そして、このポルトガル人によって唐辛子が南米から持ち込まれたのである。ビンダルーとは、ほとんど豚のピクルスのような料理だが、乾燥赤唐辛子(主にカシミールチリが使用される)、胡椒・カルダモン、クローブ、シナモンそしてビネガーとにんにくがメインのドライで酸味の効いたカレーだ。ビネガーだがワインビネガーやモルトビネガーを使用する事が多いが、よりオーセンティックに仕上げるにはパームビネガー(椰子)を使用する。ビネガーを多く使用するのは、もともとゴアの漁師たちが漁に出る時に持っていたとされる保存食の一つだ。さて、ビンダルーはポルトガル料理が元となったゴア料理だが、それだけではない。シンガポールの郷土料理にもビンダルーが存在するが、恐らく16世紀にポルトガル人がマラッカを領土にした時に持ち込まれたのではないかとされている。それがユーレイジアン(Eurasianというマレー人とポルトガル人の混血)の人々が伝統料理の一つとして今日まで伝えたのだろう。ビンダルー以外にはカリーデバル(Curry Debal)やチキンカピタン(Chicken Capitan)もシンガポール、マラッカ、ペナンの代表的なカレーである。ちなみに、17世紀にゴアは英国の支配下になり、ゴア料理を気に入った英国人が特に好きだったのがビンダルーだった。今ではビンダルーもアングロ・インディアン料理(Anglo Indian を時にはラージュともいう)の一つでロンドンへ行くとどのインド料理店も辛いビンダルーを提供している(私もロンドン在学中は学生なので安いインド料理屋でよくビンダルーを食べた覚えがある)。
Eurasians living in Singapore and Malacca would probably consider Vindaloo curry as a comfort food. As most of us know, the origin of this Goan curry is from Portugal -carne de vinho e alhos which became vindalho de porco in Goa, India. Vindaloo is a very dry curry cooked with vinegar and spice paste (spice such as kashmiri chillies, cinnamon, cloves and cardamon). If you want to go authentic, use palm vinegar instead of wine vinegar. Pork is first marinated in this mixture for at least half a day and then cooked in high heat until the gravy is thick. The dish is more like a pickle than a curry so it is more like a preserved food taken along long journeys. But when the British invaded Goa in the late 18th century, they were extremely pleased with Goan cooking. Therefore, vindaloo is also considered as an Anglo-Indian (Raj) cooking. As for Eurasian cooking, Vindaloo is said to be brought by the Portuguese around 16th century when Malacca became a Portuguese colony. Vindaloo became part of Eurasian cooking and the food past on to generations. Not only Vindaloo but curry debal and curry capitan are also famous Eurasian curries.
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